カタログ燃費表示が2017年夏から変更になりました。このため、あなたの走り方に合った自動車を選べるようになりました。
さて、あなたがよく車を運転する場面はどこですか?
1)市街地
2)郊外
3)高速道路
4)どれもよく使う
いままでの燃費表示方法では同じ性能だったとしても、自動車によって場面ごとに得意不得意があります。それぞれの走行パターンごとの燃費がカタログ表示されるようになったので、自分の走り方に合わせて選んでみてください。
たとえばこんな3車種があったら、どれが燃費がいいでしょうか。
いままでの基準(コンバイン)であれば、C車がいちばん燃費がいいのですが、新しい表示では、違った結果が得られます。
1)市街地をよく走行すると回答した人の場合
市街地では、車Cが最も燃費がよくなります。
2)郊外をよく走行すると回答した人の場合
郊外中心であれば、車Bがいちばん性能がよくなっています。
3)高速道路をよく走行する人の場合
高速中心で乗っている人の場合には、車Aがいちばん燃費がよいという結果になりました。
燃費がいいとC車を買っても、自分の使い方だったら、別の車のほうが実は燃費がよかったってこともあります。2017年夏から順次表示が切り替わっています。ぜひ確認してみてください。
以下は、少し技術的な情報です。関心のある方は、読んでいただければ幸いです。
燃費表示の変更に関する技術情報
自動車の燃費表示が,従来の燃費JCO8モード(2011年4月から実施)表示から,新たな燃費表示WLTCモード(以下WLTP:Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle)で表示されます。
【燃費表示変更の理由】
燃費表示変更の理由は,自動車に係る大気環境の改善などを国際的に促進する観点から車両の燃費性能を適切に評価する国際的な試験方法WLTPモードが導入されてためです。導入により輸入車も国産車も同じ試験モードとなり,燃費比較ができます。
【JC08モードとは】
国土交通省が2011年4月以降に義務付した日本独自の燃費表示です。当時の実走行パターンに近い測定方法として導入されました。試験方法は,実際に自動車を走行して測定するのではなく,シャシダイナモ(回転ローラ)上で試験モードにより測定します。
【WLTPモードと使用実態別の燃費表示とは】
2017年夏ごろから販売される新型車にWLTP モードで測定した燃費をカタログで表示することになりました。
コンバイン モードは,国土交通省が定めた「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」の各走行モードの平均的な使用時間配分で構成した国際的な試験法です。自動車ユーザーにわかりやすい使用実態の表示として、 低速走行は「市街地モード」、中速走行は「郊外モード」、高速走行 は「高速道路モード」が表示されます。また,新たな試験 モードは,試験時に車両重量の増加など使用実態に近い状態でシャシダイナモによりで測定します。
・市街地モード(WLTC-L) : 信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定。
・郊外モード(WLTC-M) : 信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定。
・高速道路モード(WLTC-H) : 高速道路等での走行を想定。
【WLTP モードと実燃費の違い】
燃費は,自動車を使用する際の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)などによる影響により大きく変わります。JO08モードのカタログの燃費と実燃費の差が1割~4割ありました。WLTP モードは,WLTP燃費とWLC-LMH燃費の両方で表示します。3つの走行モード毎の燃費を表示するためにより実走行と燃費が比較しやすくなります。
【エコドライブは必要か】
運転方法の違いによって燃費は大きく変わるため、急加速の抑制やアイドリン グストップ等のエコドライブによって燃費の低下を防ぐことは省エネルギー促進に必要です。さらに、実燃費とカタログ燃費との乖離を縮小することにも繋がります。このため、政府は自動車ユーザーに対するエコドライブ啓発を継続するとともに、エコド ライブの推進に向けた施策を引き続き検討していくとのことです。
【新基準表示車両】
マツダ車では,WLTCで燃費が表示されています。
マツダ CX-3 2WD 2,000CC AT車 2017/8/2カタログ記載
http://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/
【参考資料】
① 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 自動車判断基準ワーキンググループ
② 排ガスの規制値