家庭省エネ推進税のご提案

投稿者: | 2012-04-27

省エネ対策を今後も進めていくためには、家庭・中小事業所向けの省エネが不可欠になります。ただ、大規模事業者と違って、強制や報告制度で改善が進むものではなく、しっかりとしたサポート制度が必要となります。
特に、金銭的なインセンティブは重要になります。そのための財源として、地方税を導入することを提案します。
現在大阪府の環境審議会に設置されている、「新しいエネルギー社会づくり検討部会」で提案した内容を、紹介します。
 

 1 大阪府家庭省エネ促進税条例(提案)

 

 1.1 家庭省エネ促進税の概要

 

目的

 家庭を対象に、非効率なエネルギー利用に対してエネルギーが安価で提供されないよう課税(法定外目的税)により調整するとともに、その税金をより効率的なエネルギー利用の推進に活用する。

 

課税対象者

 家庭向けにエネルギー販売を行っている事業者(電力、ガス、ガソリンスタンド)

 

課税標準

 家庭の非効率なエネルギー利用に対して、通常より値引きがされている総額。

 すなわち、1次エネルギー換算で非効率な家庭のエネルギー利用機器について、その利用に対して通常より大幅に安い単価でエネルギーが提供される制度がある場合、その機器に提供されたと推計されるエネルギー量に単価の差額を乗じた金額。

 

 1.2 課税対象・金額の検討

 

条件1: 1次エネルギー換算の家庭用機器効率が低いもの

 1)自動車:1020

 2)電気温水器:30% (これに対して、エコキュート:80%~150%

 3)IH電磁調理器具:35% (これに対してガスコンロ:5055%)

 4)電熱暖房器具:35% (これに対して、ガス・灯油暖房機器:8095%、エアコン120200%)

     エネルギー効率値は目安です

 

条件2: 通常より安価でエネルギー提供がされている例

 1)オール電化契約(夜間電力) 通常の1/3程度

 2)ガスの大量利用者への単価割引

        例:144.49/m32050m3)に対して、130.84m3200 500m3

 3)ガスの機器割引(エコジョーズ、床暖房、マイホーム発電などで割引)

     灯油やガソリンについては割引販売は一般的にされていない。

 

 

よくあてはまると考えられる対象

1) 電気温水器

 普及率約5%。—-A (全国推計値。)

 電気温水器の消費電力量540kWh/月(関西電力カタログ数値)。—B

 大阪府世帯数387万世帯。—C

 通常単価2555銭 (関西電力従量電灯A 300kWh超過分、平成174月基準単価)–D

 夜間単価819銭 (関西電力、はぴeタイムナイトタイム、平成174月基準単価)–E

 大阪府の電気温水器向け消費電力量 約12kWh ( A×B×C–F

 値引きをしている単価 17.36/kWhD-E) –G

 大阪府下の電気温水器に対する値引き金額総額 約200億円(F×G

 

ただしこの全額を徴収すると、市民への影響も大きいため、この一定割合を税として徴収する。また府県と市町村で重複して徴収する可能性があり、目的や税率などで調整を行う必要がある。

ここ数年の導入は大部分がエコキュートであり、10年後程度をめどに漸減していく。

 

2)電気蓄熱暖房

 普及率 不明

 蓄熱暖房機の消費電力量 約10,000kWh/年 (販売事業者数値)

 利用料金(上記の夜間単価)

    普及の統計データがない、同等の暖房手法の代替案が明確でない

 

 1.3 税金の活用用途

 

 ・地域エコポイント制度

 ・環境コンシェルジュ制度推進(基金)

 ・電気温水器からエコキュートへの買い替え補助

 

 1.4 市町村も制度をつくった場合の対応

 

 都道府県  補助金・エコポイント的制度に利用
 市町村   うちエコ診断・省エネ診断など省エネ推進事業




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