冷暖房時の室内空気の流れをシミュレートするソフトを作成しました。まだ荒削りですが、暖房時に窓で冷やされた空気の流れや、それを「ついたて」でどれだけ軽減ができるかなどが、簡単にシミュレートできます。
数値流体力学(CFD)は、専用ソフトは数十万円から数百万円以上するもので、なかなか簡単には手が出せません。フリーの計算ソフト(OpenFoam)もあるのですが、設定に手間がかかり、お世辞にも手軽に使えるものとは言えません。
どのくらい窓から吹き下ろす風が吹くのか、窓の断熱性能を変えたらどうなるか、障害物を置いたらどうなのか、ラジエータを窓の下に置いたらどうなのか・・・、など知りたいことはたくさんあるのですが、それを簡単に比較実験できるようなソフトがあったらいいなと考えて開発したものです。
幸いに、パソコンの性能も上がっており、ブラウザ上で3次元のシミュレーションを実用的な速度で実行ができるようになりました。かなりメッシュは粗いですが、十分比較はできるようになっています。あとは動画ができるといいのですが・・・。
計算ソフトは、https://www.hinodeya-ecolife.com/cfd/ から自由にお使いいただけます。ただし、結果の保障をするものではありません。間違っている点などありましたら、ご連絡いただければ幸いです。
[追記] 順次改良を進めています。改良版開発の記事はこちら。
[追記2] 詳しい使い方や、比較して面白い設定などは、https://www.hinodeya-ecolife.com/cfd/ に記載しています。
[追記3] 立体的に表示する新しいバージョンに更新しました。記事。ソフトのリンクは同じです。(2024年10月)
フィールドサイズや、窓の設定、障害物の設定、温度設定など、設定項目はたくさんありますが、とりあえずは初期設定がされています。障害物(衝立)ありの、3m立方ですのでおおむね4畳半の部屋になります。
計算は一瞬で終わります。ちなみに、計算回数を10倍程度にしても、ほぼ一瞬で終わります。左が平面図、右が立面図です。いずれも左側が窓側になっており、矢印は風の向きと強さを、色は温度を示しています。
衝立を超えて、風が流れるため、床面では風が弱くなっています。
条件を変えて、衝立がなかった場合の結果は以下のとおりです。窓から吹き下ろした風が、床を伝って広がっている様子が見えます。
もし衝立が40℃程度の温度を持っていたとしたら・・・、これはラジエータを窓際に設置したことに相当します。ラジエータならもう少し窓際に設置してもいいですが(画面で設定はできます)、今回はそのまま実行しました。
赤色になっているのが、温度が高い衝立(ラジエータ相当)の部分です。断面図をみると、ここから上昇気流があがっており、衝立から右(部屋奥)のほうには、冷たい風が流れていない様子がわかります。ラジエータは、窓の下に設置するというのが、快適な暖房の原則であることは古くから知られています。
こんな条件を変更させて、シミュレーションができるようになっています。とりあえずVer1.0としての公開ですが、ビジュアルで設定ができるようにもう少し工夫をしてみたいと思います。