アメリカでは、様々な形の家庭向け省エネ診断が行われ、ビジネスとして行われている場合も多いと聞く。そこで、どういった家庭向けの省エネ診断サービスがあるか、アメリカで省エネコンサルタントとして働く知人のアドバイスにもとづき、主にインターネット検索で調べてみた。
アメリカでは、様々な形の家庭向け省エネ診断が行われ、ビジネスとして行われている場合も多いと聞く。そこで、どういった家庭向けの省エネ診断サービスがあるか、アメリカで省エネコンサルタントとして働く知人のアドバイスにもとづき、主にインターネット検索で調べてみた。
まず、アメリカで行われている家庭向け省エネ診断には、「家庭訪問型省エネ診断」と「自己省エネ診断」の大きく2つのタイプがあると考えられる。それぞれのタイプについて、以下に簡単に説明したい。
1.「家庭訪問型省エネ診断」とは、建物もしくは家電器機に関する省エネの知識をもった専門家が家庭訪問し、独自のソフトウェアを使うなどして診断を行うものである。建物の省エネや安全性、快適性を診断するものが多いが、それに加えて家電器機の買い替えなどについても診断するところもある。そして、それらの診断を行う専門家には、以下のようなタイプがある。
(1)プロのEnergy Auditが行うもの
(2)Energy Codeのコンサルタントが行うもの
(3)Home Inspectorが行うもの
(4)Energy Rating Professionalsが行うもの
(5)その他
(1)プロのHome Energy Auditsが行うもの
エネルギー省のEnergy Efficiency and Renewable Energyのウェブサイトによると、Home Energy Auditsは、家でどれだけのエネルギーを消費しているか、そして、よりエネルギー効率の良い家にするためにはどのような措置が必要かを評価する一番初歩的なものである。
このHome Energy Auditsには、自分でやるDo-it-yourself Home Energy Auditsと、プロが行うHome Energy Auditsがある。自分でやるAuditsは、Energy Efficiency and Renewable Energyのウェブサイトにある手順にしたがって機密性や断熱材、冷暖房機器、照明などについて自分で評価を行うものである。一方、プロが行うAuditsは、赤外線カメラなど特別な機器やBlower-Door方法といった特別な方法で、機密性や断熱材などの評価行う。これらプロのHome Energy Auditsは、電気会社などに雇われている場合が多い。
<Home Energy Audits>
http://www.eere.energy.gov/consumer/your_home/energy_audits/index.cfm/mytopic=11160
(2)Building Energy Codeのコンサルタントがやるもの
建物の新築や建て替え、改築の際、建築家や建物のオーナーなどが遵守しなければならない建物のエネルギー消費規格を定めたBuilding Energy Codeがある。このBuilding Energy Codeには、さまざまなものがある。家庭用と商業ビル用それぞれに定められていて、毎年更新されている。
代表的なアメリカの省エネルギー基準として、全国基準審議会(International Code Council/ICC)の全米省エネルギー基準(International Energy Conservation Code)があり、2006年版が最新となっている。しかし、実際には、どの年のものをどのように施行するかは州のエネルギー政策によって決められるため、それぞれの州で違う。州独自の基準を設けているところもある。
州によってはこれらの省エネ基準を義務化しているところもあり、基準の遵守するための建物審査を行う会社が多数ある。審査員を養成するトレーニングが、全国基準審議会などによって行われている。また、基準を遵守するためのオンラインソフトがエネルギー省のサイトで提供されている。
<Building Energy Code>
http://www.energycodes.gov/
<全国基準審議会(International Code Council/ICC)>
http://www.iccsafe.org/